懸垂は、上半身の筋力を鍛える代表的な自重トレーニングの一つです。
しかし、懸垂を始めたばかりの初心者の中には、
どれくらいの期間で懸垂を出来るようになるのかな?
このような悩みを持っている人も多いでしょう。
懸垂を1回でも出来たら「懸垂1回を5セットして広背筋を鍛えよう」となりますが、懸垂が1回も出来ない人は懸垂で広背筋を鍛えることは難しいですよね。
この記事では、懸垂が出来るようになるまでの期間や、懸垂が出来るようになるための効果的なトレーニング方法などを解説していきます。
懸垂を1回も出来ないと悩んでいる人は、私がオススメするトレーニング方法を試してみて下さい。
懸垂の基本と重要性
まずはじめに、懸垂が出来るようになるために覚えておいてほしい懸垂の基礎知識を解説します。
すでに懸垂について知識がある方は飛ばしてもらって大丈夫です。
懸垂とは
懸垂は懸垂マシンや鉄棒などにぶら下がった状態から、体を持ち上げる自重トレーニングです。
ほとんどの人が懸垂の動作をイメージできるとは思いますが、分からない人のために動作のイメージを上の画像で紹介しています。
懸垂で鍛えられる筋肉
懸垂では主に、
- 背中
- 腕
- 肩
これらの筋肉を鍛えることができます。
懸垂は全身の筋力バランスを整えるのに非常に効果的なので、筋トレ初心者〜上級者まで全ての人にオススメできるトレーニングです。
【関連記事】懸垂はどこの筋肉が鍛えられるのか?種類ごとに鍛えられる筋肉が違う!
懸垂では、背中にある広背筋という筋肉が主に鍛えられますが、やり方が悪いと広背筋に効かないこともあります。
懸垂をしても広背筋に効かないという人は、こちらの記事もオススメです。
【関連記事】懸垂が広背筋に効かない!広背筋に効かせるコツを詳しく解説します!
懸垂のメリット
- 特別な器具が不要で、どこでも行える
- 多くの筋肉群を同時に鍛えられる
- 体重による負荷で効果的に筋力を向上できる
- 姿勢改善や体幹強化にも効果がある
懸垂には、この4つのメリットがあります。
数あるトレーニングの中で懸垂におけるメリットは非常に多いので、トレーニングメニューに懸垂を入れていない人は、これから懸垂をするようにしましょう。
懸垂を1回も出来ない人の特徴
懸垂を1回も出来ない人には、いくつかの共通した特徴があります。
- 筋力不足
- 懸垂のフォームが悪い
- 体重が重すぎる
- メンタル面の課題
- 懸垂バーを強く握ってしまう
なぜ懸垂を1回も出来ないのかを理解することで、自分の弱点を把握し、効果的なトレーニング計画を立てることができます。
懸垂に効果的なトレーニングが出来ていれば、懸垂が出来るようになるまでの期間が短くなるでしょう。
懸垂を1回するための筋力不足
懸垂を1回も出来ない人は、懸垂を1回するために必要な筋力が不足しているという特徴があります。
これはあまり良い傾向ではありませんが、たとえ懸垂のフォームが悪くても、たとえ体重が重くても、筋力があれば懸垂は出来ます。
どれだけ懸垂のコツを掴んでも、筋力がなければ懸垂は出来ないので、「懸垂+食事+睡眠」で懸垂を1回するために必要な筋力を付けるようにしましょう。
懸垂のフォームが悪い
懸垂を1回も出来ない人は、懸垂のフォームが悪いという特徴があります。
先ほどは極端な例を出しましたが、懸垂を1回でも出来るようになるためには懸垂のフォームも非常に重要です。
懸垂をしなくても懸垂のフォームを覚えることは可能なので、懸垂の動作をイメージしながら下のフォームのように手や腕を動かしてみましょう。
懸垂の正しいフォーム
- 懸垂バーをしっかりと握る
- 肩甲骨を寄せる
- 腕を曲げて身体を引き上げる
- あごが懸垂バーを超えるまで上げる
- ゆっくりと元の位置に戻る
懸垂の正しいフォームはこのようになります。懸垂を1回出来るようになるためには特に「肩甲骨を寄せる」という点が重要になります。
肩甲骨を寄せて背中の筋肉を上手く使うことが出来れば、懸垂が出来るようになる可能性が高いです。
懸垂が1回も出来ないのはメリットもある
懸垂が少しだけ出来る人の中には、間違ったフォームで懸垂をする癖がある人もいます。悪い癖をかなり治すのは難しいので、この状態から懸垂のフォームを改善するにはかなり時間がかかります。
しかし、懸垂が1回も出来ない人は、懸垂のフォームに変な癖が無い人が多いので、正しい懸垂フォームを体に染み込ませやすいというメリットがあります。
正しい懸垂フォームでしっかりトレーニングをすることで、懸垂の回数は1回、2回、3回とすぐに伸びます。
今は懸垂が1回も出来ないと悩んでいると思いますが、この1番辛い時期を乗り越えられるように頑張りましょう。
体重が重すぎる
懸垂を1回も出来ない人は、体重が重すぎるという特徴があります。
懸垂は自分の体重がそのまま重り(負荷)になる自重トレーニングです。
- 体重50kgの人は50kgの負荷
- 体重75kgの人は75kgの負荷
- 体重100kgの人は100kgの負荷
これを見れば分かると思いますが、体重が重すぎると懸垂時の負荷が高くなり、懸垂を1回する難易度が高くなります。
脂肪を減らして体重を軽くすることで、懸垂を1回出来るようになるまでの期間はかなり短縮できるでしょう。
懸垂時のメンタル面の課題
懸垂に対する苦手意識が、懸垂を1回も出来ない原因になることがあります。
サッカーや野球などのスポーツでもメンタルが非常に大切になりますが、懸垂などの筋トレでも同じことが言えます。
懸垂を1回も出来ない悩む気持ちはよく分かりますが、懸垂に対する苦手意識はなるべく持たないようにしましょう。
懸垂バーを強く握ってしまう
懸垂を1回も出来ない人は、懸垂バーを強く握ってしまうという特徴があります。
懸垂を始めたばかりの初心者は、
- 手が滑りそう
- 懸垂バーから落ちそう
このような不安から、懸垂バーを強く握ってしまう傾向にあります。
懸垂バーを強く握るデメリット
懸垂バーを強く握ってしまうと、このようなデメリットがあります。
懸垂が1回も出来ない大きな原因となるので、このデメリットを解消させるパワーグリップというアイテムを使うようにしましょう。
私が懸垂で使っているパワーグリップ
私は、懸垂をするときにパワーグリップを使い始めたあとから、懸垂の回数が大きく伸びました。
懸垂時のグリップ力が強化されることで、背中の筋肉を上手く使うことができるようになり、正しく筋肉が付いたからだと思います。
懸垂を始めた時から使っておけば良かったと後悔しているので、懸垂を1回も出来ない人はパワーグリップを使ってみましょう。
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懸垂が出来るようになるまでの平均的な期間
懸垂を1回も出来ない人は、
このような疑問を持っている人も多いでしょう。
しかし、懸垂の平均回数から、懸垂を1回出来るようになる平均的な期間を知ることは可能です。
ここからは、懸垂を1回も出来ない人が、懸垂を出来るようになるまでの平均的な期間について解説していきます。
男性が懸垂を1回出来るようになるまでの期間
まずは、男性が懸垂を出来るようになるまでの期間を紹介していきます。
懸垂を出来るようになるまでの期間は「懸垂の平均回数」の記事を参考に、平均的な期間を考察しています。
【男性版】懸垂の平均回数
体重/歴 | 経験なし | 約1ヶ月 | 約6ヶ月 | 2〜5年 | 5年以上 |
---|---|---|---|---|---|
50kg | 1回未満 | 5回 | 15回 | 27回 | 40回 |
55kg | 1回未満 | 6回 | 15回 | 26回 | 39回 |
60kg | 1回未満 | 6回 | 15回 | 26回 | 37回 |
65kg | 1回未満 | 6回 | 15回 | 25回 | 36回 |
70kg | 1回未満 | 6回 | 14回 | 24回 | 35回 |
75kg | 1回未満 | 6回 | 14回 | 24回 | 34回 |
80kg | 1回未満 | 6回 | 14回 | 23回 | 33回 |
85kg | 1回未満 | 6回 | 13回 | 22回 | 32回 |
90kg | 1回未満 | 6回 | 13回 | 21回 | 30回 |
95kg | 1回未満 | 6回 | 12回 | 21回 | 29回 |
100kg | 1回未満 | 6回 | 12回 | 20回 | 28回 |
105kg | 1回未満 | 5回 | 11回 | 19回 | 27回 |
110kg | 1回未満 | 5回 | 11回 | 18回 | 26回 |
115kg | 1回未満 | 5回 | 10回 | 18回 | 25回 |
120kg | 1回未満 | 4回 | 10回 | 17回 | 25回 |
125kg | 1回未満 | 4回 | 10回 | 16回 | 24回 |
130kg | 1回未満 | 4回 | 9回 | 16回 | 23回 |
135kg | 1回未満 | 4回 | 9回 | 15回 | 22回 |
140kg | 1回未満 | 3回 | 9回 | 15回 | 21回 |
懸垂の平均回数から考察すると、筋トレを1ヶ月続けると懸垂が3〜6回は出来るようになると言えます。
単純な計算になってしまいますが、早い人であれば5〜10日程度で懸垂が1回出来るようになるかもしれませんね。
また、筋トレをしていない男性は懸垂を1回も出来ないのが平均的と言えます。最初から懸垂が1回も出来ないのは普通なので、懸垂が出来なくて焦る必要は全くありません。
【関連記事】懸垂は何回できたらすごい?10回や20回ですごいと言えるのか?
女性が懸垂を1回出来るようになるまでの期間
次は、女性が懸垂を出来るようになるまでの期間を紹介していきます。
懸垂を出来るようになるまでの期間は「懸垂の平均回数」の記事を参考に、平均的な期間を考察しています。
【女性版】懸垂の平均回数
体重/歴 | 経験なし | 約1ヶ月 | 約6ヶ月 | 2〜5年 | 5年以上 |
---|---|---|---|---|---|
40kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 14回 | 25回 |
45kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 14回 | 24回 |
50kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 14回 | 24回 |
55kg | 1回未満 | 1回未満 | 7回 | 14回 | 23回 |
60kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 14回 | 22回 |
65kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 13回 | 21回 |
70kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 12回 | 20回 |
75kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 12回 | 19回 |
80kg | 1回未満 | 1回未満 | 6回 | 11回 | 19回 |
85kg | 1回未満 | 1回未満 | 5回 | 11回 | 18回 |
90kg | 1回未満 | 1回未満 | 5回 | 10回 | 17回 |
95kg | 1回未満 | 1回未満 | 5回 | 10回 | 16回 |
100kg | 1回未満 | 1回未満 | 4回 | 9回 | 15回 |
105kg | 1回未満 | 1回未満 | 4回 | 9回 | 15回 |
110kg | 1回未満 | 1回未満 | 3回 | 9回 | 14回 |
115kg | 1回未満 | 1回未満 | 3回 | 8回 | 13回 |
120kg | 1回未満 | 1回未満 | 3回 | 8回 | 12回 |
懸垂の平均回数から考察すると、筋トレを6ヶ月続けると懸垂が3〜7回は出来るようになると言えます。
2ヶ月〜5ヶ月の期間のデータが無いので分かりにくいですが、早い人なら2ヶ月で懸垂が1回出来るようになるという人もいるでしょう。
女性の場合は男性に比べて筋肉が付きにくいという傾向があるため、懸垂が1回出来るようになるまでの期間は男性より長いですが、気長に頑張りましょう。
懸垂が1回出来るようになるまでの期間を短縮するコツ
先ほど、懸垂が1回出来るようになるまでの期間を紹介しましたが、これはあくまでも平均的な期間になります。
筋トレや食事改善などに積極的に取り組むことで、懸垂を1回出来るようになるまでの期間を短縮することは可能です。
ここからは、
という人に向けて、懸垂が1回出来るようになるまでの期間を短縮するコツを紹介していきます。
ジャンプ懸垂をする
懸垂を1回も出来ない人は、ジャンプ懸垂をするのがオススメです。
懸垂は体を持ち上げる時だけでなく、体を下す時にも背中の筋肉に負荷がかかります。
懸垂が1回も出来ない人でも、ジャンプ懸垂であれば少なくとも1回は出来ると思うので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
ジャンプ懸垂の手順
- 立った状態で懸垂バーを握る(懸垂バーに届かない場合は、フラットベンチなどで足場を作る)
- ジャンプしながら懸垂をして体を持ち上げる
- 持ち上げた状態(1番上)で2秒キープする
- 3〜5秒かけて体をゆっくり下す
ジャンプ懸垂の手順は、このようになります。
ネガティブ懸垂をしている時(体を下す時)に、背中の筋肉に負荷がかかっていることを確認しながら行いましょう。
懸垂の回数を伸ばしたい時にも有効
このジャンプ懸垂は、実際に私が懸垂の回数が伸びない時に回数を劇的に伸ばした方法になります。
懸垂が1回出来るようになった後も、懸垂の回数を伸ばすためにも続けることをオススメします。
ただし、懸垂が出来る人と1回も出来ない人ではやり方が少し異なるので、懸垂が1回以上できるようになったら、こちらの記事で解説している方法を試してみましょう。
≫私が懸垂の回数が伸びない時に回数を劇的に伸ばした方法を教えます!
懸垂で筋肉を付けるための栄養摂取
記事の前半でも解説しましたが、懸垂を1回できるようになるためには、筋力を付ける必要があります。
筋力を付けるために筋トレをすることも大切ですが、筋トレと同じくらい栄養バランスの良い食事も大切になります。
筋トレ前後に栄養摂取をして、筋肉に栄養を届けることを意識しましょう。
懸垂前にオススメの食事
懸垂などの筋トレを開始する1〜2時間前に、軽めの食事を摂ることをオススメします。
懸垂に必要なエネルギー源となる炭水化物と、筋肉を分解させないためのタンパク質を組み合わせるようにしましょう。
筋トレ前の理想的な食事は、
- バナナ1本+プロテインシェイク
- オートミール+ゆで卵など
このようになります。
懸垂後にオススメの食事
懸垂をした後は、ゴールデンタイム(筋トレ後の1時間)に食事から栄養補給をしましょう。
懸垂後に栄養バランスの良い食事をしないと、筋肉の回復や成長促進が効果的に行えません。
筋トレ後の1時間以内のゴールデンタイムに栄養バランスの良い食事をする必要がありますが、
- 筋トレ後にシャワーを浴びて
- ジムから帰って
- 献立を考えて料理をする
このようにやることをやっていると、1時間なんてあっという間に経ってしまいますよね。
そこで私は、電子レンジで温めるだけですぐに食べられて、高タンパク質で栄養バランスが良い冷凍弁当を食べています。
↓こんな感じです↓
筋トレ後に疲れた時でも料理や食器洗いをする必要がないので、非常に助かっています。
私が実際に食べて美味しいと感じた高タンパク質の冷凍弁当を紹介しているので、食事改善をして筋肉を付けたい人は下の記事をご覧ください。
≫高タンパク質の冷凍弁当を買えば筋トレの食事管理が簡単になる!
懸垂に効果的な休養時間
ジャンプ懸垂をして栄養バランスの良いご飯を食べたら、しっかり休息を取りましょう。
筋肉は、寝ている間によく育ちます。筋トレをしている人にとって睡眠は非常に大切なので、最低でも7時間の睡眠時間を確保することをオススメします。
また、懸垂で鍛えられる広背筋の回復には72時間かかると言われています。
広背筋を超回復させることを考えると、3日に1回のペースでジャンプ懸垂をすることをオススメします。
まとめ
この記事では、懸垂を1回も出来ない人の特徴や、懸垂を出来るようになるまでの期間を紹介しました。
懸垂を1回も出来ない人には、下のような共通した特徴があります。
- 筋力不足
- 懸垂のフォームが悪い
- 体重が重すぎる
- メンタル面の課題
- 懸垂バーを強く握ってしまう
なぜ懸垂が1回も出来ないのか理解した上で、ジャンプ懸垂に取り組むようにして下さい。
懸垂の平均回数から懸垂を1回出来るようになる期間を考察すると、
- 男性:5〜10日程度
- 女性:2ヶ月程度
平均的には、この期間で懸垂が1回出来るようになると言えるでしょう。
ただし、筋トレの強度や頻度、食事改善の有無などによって懸垂が出来るようになる期間は大きく異なるので、焦ることなく懸垂に取り組みましょう。